京丹後の海の色も春めいてきた今日この頃、海を隔てたその先では、今もロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いています。
そのニュースを見るたびに胸が苦しくなり悲しい思いでいっぱいになります。
そして「同じ世界に生まれ、なぜ戦わなくてはならないのか?」と言う思いでいっぱいになります。

コロナ流行以前は、海外から多くのとト屋ファミリーの皆さんにお越し頂きました。
当館のダイニングに大きな世界地図があり、お会い出来た記念に印をつけて頂いておりました。 ロシア、ウクライナにまだ印は無く地図の上でしか知らない見知らぬ地。
けれど、どうか彼の地でこれ以上尊い命が奪われませんように。悲惨な現実を目の前に震え、涙する人々が救われますように。安心して過ごせる日常が戻ってきますように。

1400年前、人々を苦しめる鬼を麻呂子親王が退治し、封じ込めたと言われる平和のシンボル「立岩」。その側で海を見つめ祈るように立っているのは間人皇后と聖徳太子の母子像です。
間人皇后が間人(たいざ)という地名へと託した願いとは「愛」「平和」「約束」という時代が変わっても人が守り続けていかなくてはならない大切なものでした。
愛と平和と約束を持って、この悲しい戦争が一日も早く終わりますよう、心からお祈りしております。

今朝、雪に埋もれても、しっかりと花を咲かせた水仙を見つけました。
コロナ禍で厳しい冬でしたが、なんだか慰められたような気がしました。
心お疲れの皆様も、京丹後の自然に「ほ・・・」とひといきついて頂ければ幸いです。                          

               池田 香代子