もうすぐ春分の日、七十二候では「雀始巣」と言われています。
雀が巣を作り始める時期という意味だそうです。
カニシーズンも一段落し、私事ではありますがコロナ禍で延期となっていた我が家の末娘の結婚式を4月に控え、家族全員の着物を見繕ったり、娘と一緒にお祝いの席のこまごまとした用事をしつつ忙しくもうれしうれしの日々を送っております。
 昨年、とト屋に新たに出来た「愛の聖地」丹後のイザナギ、イザナミの国産みの神を表現した絵画と「とト屋」の名の「~と~を結ぶ・緒」に因んだ「愛の緒丹(おに)」「平和の緒丹(おに)」「約束の緒丹(おに)」のそれぞれを掲げる三本柱「愛の聖門」を通り、ふたりの思い出の地でもある立岩へと行く姿を結婚の記念に撮ってきました。かわいい孫も一緒です♪

立岩の前で何やら話し込む仲睦まじい後ろ姿を見ながら、二人がこの約束の聖地で誓った「ここで家族になる」という決意を陰ながら応援し、新しい家族の幸せを心から願いました。

竹野神社の壱の鳥居正面、川向にとト屋はポツンと一軒建っています。
ここが「約束の聖地」と呼ばれるようになったのは、今から1400年ほど前にさかのぼる遠い遠い昔の物語が始まりです。
曽我氏と物部氏が廃仏、崇仏などの仏教への対立や皇位継承問題で対立、戦乱へと発展した際、用明天皇の皇后で聖徳太子の母、間人皇后(はしひとこうごう)は争いを避ける為この地へ逃れてきたということです。
時を同じくして用明天皇の第三皇子、聖徳太子の分け御霊(母違いの皇子)の麻呂子親王は人々を苦しめる鬼を退治するためこの地を訪れ、最後の一鬼を立岩に封じ込めたと言われています。
間人皇后と麻呂子親王は、義理の母、息子という微妙な関係ではありましたが、この地で対座(向かい合い座り)し語り合ったということです。実はこの「対座」が間人(たいざ)の名の由来になったのだと言う説もあります。
二人が目指したのは争いの無い「安泰なる平和」の国造りでした。
それぞれの立場を超えて、愛を持って平和な世をつくる約束をした地「愛と平和、約束の聖地」の物語はここから始まり、とト屋の「愛と平和、約束の聖地」の物語へと続いていきます。

【とト屋の絵画と三本柱の意味】
絵画「愛の聖門」で描かれた「赤い玉」は、「生」の種(たね)、生きる「チカラの種」をイメージしています。これは、とト屋の名づけ親でもある京丹後在住の芸術家池田修造氏の作品です。
コロナ禍で人と人との接触が制限される中、人間本来の「生きるチカラ」とは何かを問いかけています。
この冬、この絵画に因み、間人港の活夫婦ガニのメスとオスのカニをセットにした「夫婦ガニプラン」は、これから家族になるカップルや、子供も大きくなり手を離れこれからもう一度ふたりを始める熟年夫婦のみなさんにもご好評いただきました。間人蟹のメスは、たくさんの赤い卵「生」の種を抱え、そのメスを守り敬うオスは夫婦円満の象徴として「夫婦ガニプラン」は大変人気のプランとなりました。

「愛の聖門」と呼ばれる三本柱のオブジェは、海の向こう韓国からとト屋の家族になってくれた、娘婿、義理の息子のカンビョンユン(陶芸家)によるものです。
ここで「なぜ鬼(緒丹)をモチーフに?」という素朴な疑問を持たれる方も少なくないと思います。麻呂子親王の鬼退治伝説には続きがありその物語のエリアの中心にとト屋は位置しています
とト屋から見える壱の鳥居から続く参道の先にある竹野神社では退治した鬼をねんごろにお祀りし「鬼神塚」をたて毎年12月にはひっそりと鬼祭りが行われているそうです。この祭りは竹野神社の神主とその下社家(宮衆)だけで行われ討伐した鬼を神と崇め鎮めました。

私たちの考える「鬼」とは、自身の心の中にも人を憎んだり妬んだりと言う心、それがすなわち「鬼」ではないかと言うことです。誰の心の中にもある「鬼」をも抱き参らせておおらかな心で穏やかに安泰なる心で過ごして生きたい、そんな思いもこもった鬼を形にしたのがとト屋の「愛の緒丹、平和の緒丹、約束の緒丹」です。
また、竹野神社の本殿に向かって右側の山には「神明山古墳」があります。
古代より祭祀場であったとも伝えられており、その頂上に登ることも出来、ここから間人集落の全景を見ることができます。
とト屋を拠点に伝説と謎に満ちたこの地の歴史を紐解きつつ、じっくりと巡るのもおすすめですよ♪

【いざ!愛と平和、約束の聖地へ】
これまで、世界中から数多くのハネムーンやフルムーン、家族の記念旅行などのお客様にお越し頂き、聖地の象徴とも言うべき「立岩」や、黄金の💛の瞳をもつ愛の女神が護る「愛の洞窟」、母なる海の神秘「青の洞窟」で過ごして頂き、お宿では心づくしの地元の美味しい魚料理を中心にした「とト屋オリジナルの祝い膳」でおもてなしをさせて頂いております。

夫婦になると言うことは、良い時も悪い時も一緒の運命共同体。
長い夫婦生活の中で時には「鬼嫁」になってしまう事もあるかもしれませんね・・・。
そんな時は「鬼の心」も抱き参らせつつ、お互いを敬い合うキーワード(約束)として、とト屋での日を思い出して頂けると幸いです。

春分が終われば、間も無く4月。これからは海と桜のコラボレーションの美しい季節です。
また、6月から7月にかけては、海から朝日がのぼり、夕日が海に沈むと言う1日で2度美味しい、贅沢な時間を味わえる季節です。
青の洞窟案内人のレジェンド、西口船長によると「夕日が良い日の次の朝日はまた格別」なんだとか。
ぜひ、皆さんの目で見て体感してみて下さい。

立岩の一番近く、自然あふれる一軒宿「とト屋」で家族だけの小さな結婚式や記念日など、ご相談下さいませ。
「一度泊まれば親友に、二度泊まれば親戚に、三度泊まれば家族になる」をテーマにお客様に寄り添い家族のようなおもてなしを続けて26年。これからも世界中にとト屋ファミリーが増えてきますように。

人と人を繋ぐ宿がお客様の物語を紡いでいけたら幸いです。
愛と平和、約束の聖地

丹後半島 立岩海岸 うまし宿とト屋
とト母さん 池田香代子

*とト屋 春のラインナップはこちらから⇨とト屋予約サイト
*お電話でのお問い合わせは 0772−75−2639まで